燻製は300円あれば家で作れる

2017.2.17 12:05 更新

読了時間:11分44秒

以前バーベキューに参加したとき、同僚のY氏から手作りの燻製を振る舞ってもらったことがある。スモークチップで燻(いぶ)された食材がほどよく香りを放ち、燻製独特のあの食感がたまらない。「燻製ってうまいんだなー」と思った最初の体験である。

その後、燻製を口にする機会がなかったのだが、たまたまこないだ、燻製フルコースの店を訪れた。なんと、前菜からデザートまで全て燻製された料理なのだ。それってどうなのよ、と思ったのだが、食べてみると大変おいしい。

それからというもの「おいしい燻製を食べたいときにいつでも食べられたら…」と思っていたら、自宅用の燻製器があるという情報をキャッチ。ただ、真のハードルは自宅用機器が有るか無いかの問題ではない。「置き場所はどうするの?」や「無駄遣いして!」と、妻に文句を言われることは目に見えている。そっちのほうが難しい問題だ。そもそも「どうせすぐ飽きるんだから」と言われ、決裁すら下りないだろう。決裁を取るのは会社よりも妻のほうが難しいのは、あなたもご存知の通りだ。

なんとかして、自宅で燻製を手軽に安く楽しめる方法はないものか?とあれこれ調べてみると、あるじゃないですか。
そこで今回は、筆者が自宅で行った燻製作りをご紹介しようと思う。やってみると想像以上に手軽で、あっという間にできてしまった。しかも安上がり。これはオススメである。

 

燻製は、熱燻・温燻・冷燻の三種類

燻製はもともと、保存食として重宝されてきた。燻製といえば、なんともいえない「あの香り」が魅力だ。食材を煙で燻すことで、煙の中の殺菌成分が食材の中に浸透し、またその煙で長時間燻すことで、食材の中の水分量が減って保存性が高まるらしい。

だが、今では冷蔵庫や冷凍庫など文明の利器が発達している。いつしか「保存のため」という意味合いは薄れ、独特の香りと食感を楽しむ調理法の一つとなっている。その味わいは魅力的で、冒頭に述べたように、燻製料理を専門に提供する人気料理店が都内だけでも複数存在している。

燻製の種類には熱燻(ねっくん)・温燻(おんくん)・冷燻(れいくん)の三種類があり、熱燻は80℃以上の高温で1時間程度燻す方法。温燻は60℃程度で、1日から数日。冷燻は熱を加えずに15~30℃程の低温で1~4週間かけて長時間燻していく。最も一般的な方法は温燻と言われるもので、ベーコンなどもこの手法で作られている。

温燻や冷燻などは加温時間も長いため、特別な器具や手間がかかるが、熱燻は基本的には香り付けの意味合いのほうが強い。そのため最も気軽な手法として一般にも広まっている。筆者がキャンプの時に食べたのもこの熱燻で、今回作るのもコレだ。

 

燻製器を買わずに自宅にあるアレで燻す、その方法は?

さて、肝心の手法を紹介しよう。

<用意するもの>
・深めの鍋またはステンレス製のボウル
・網
・燻煙材
・煙を閉じ込めるフタ
・熱源
・スモークしたい食材

この6個だけである。

燻すための鍋は自宅の鍋でもいいし、100円ショップに売っている土鍋でもいい。さらにはステンレス製のボウルでも構わない。

だが、ここで注意だ。

妻が愛用している鍋でうっかり燻製を作ろうものなら、何を言われるかわからない。そこで筆者は、100円ショップで売っているステンレス製のボウルと網を使うことにした。ちなみにボウルで作る場合は、「チップや食材を入れるもの」と「フタの役割をするもの」の2個のボウルが必要になる。

ボウル2個と網、合計3個のアイテムを100円ショップで購入し、なんと合計300円で燻製器(の代わり)が調達できた。お財布に優しいのは嬉しい。

さて次に、燻煙材はどうするか。スモークチップなんぞ自宅周辺では売っていないし…と調べていると、なんと燻煙材として、茶葉でも代用できるとのこと。我が家には麦茶が常備されていること、いつかの結婚式でもらった紅茶が使われずにしまってあることを思い出したので、今回はそれを使用することにした。

ちなみに燻す時間は10分程度でいいらしい。最低でも1時間と思っていたが、そこまでしなくてもしっかり香りは付くそうだ。うーん、ホントかな…

最後は食材の調達だ。今回は、半熟に仕上げたゆで卵に、チーズにウインナー。カマンベールチーズ。たまんないよね?

果たして茶葉で燻すとどのような味になるのか、期待に胸が膨らむ。

購入した道具一式

燻製に必要なモノ一式。ボウルと網は100円ショップ、食材はスーパーで買った

いざ、燻製作り!

まずは火にかけるほうのボウルにアルミホイルを敷き、その中に燻煙材となる麦茶を入れる。

燻煙材となる麦茶葉

茶葉の分量はひとつかみ、10g程度だ。香ばしい麦の香りがするが、この香りが食材にどう移るのだろうか。

次に、ボウルの上に網をセットし、その上に食材をのせていく。溶けやすいチーズは下にアルミホイルやクッキングペーパーを敷いておくと、後片付けが楽になるぞ!

燻製する前の食材たち。これはこれでおいしそう

そして、この状態で火を付ける。最初は中火で、煙が出てきたら弱火にしてフタを締め、10分間待つだけだ。

煙が出てきたのでフタをしたところ。ここから弱火で10分間待つ

実際にやってみると思いのほか、煙が立ち込めなかった。まあ、自宅で作るのだから煙は出ないに越したことはないのだが…本当に燻せているのだろうか。ちょっと心配だ。

10分経ってタイマーが鳴り、火を止める。すぐにフタを取らずにここからもう10分待機する。鍋の中に溜まった煙をしっかりと浸透させるためだ。それに、フタと鍋が熱くて触れない。

10分の待ち時間の間に、準備で散らかった台所をキレイに片付ける。台所に燻製のにおいがこびりつかないか?と心配する妻に、少しでもイメージアップしよう。

片付けをしているとあっという間に10分が経過。

やっと完成だ!

ほどよく色づいた仕上がりを見てほしい。

ゆで卵の表面が茶色く変わっていて、燻されていることがわかる。燻製と聞いて思い浮かぶスモークチーズなどに比べると、ちょっと色は薄め。香りは、麦茶の香ばしい匂いがより濃厚になったように感じられる。
網目の形に色づいた白身がうまそうだ。これは期待が高まる。

すぐに味見したい気持ちを抑えて、卵を二つに切ってみよう。

黄身が半熟を保っていて、とろ~りと流れ出した

半熟の黄身は、うっすら中まで茶色く染まっていた。欲を言えばもう少ししっかりと色がついていたら面白かったのだが、はじめてだし、これでよしとしよう。

それぞれ食べてみると、独特のスモーキーな味がする。特にウインナーは、茹でたり焼いたりしたものとは違っていて、水分が少し抜けてウインナーの皮の歯ごたえがより強くなり、パリッと感があきらかに向上している。味の方はそれ以上に変化があった。ウインナーの肉々しさが増し、茹でたり焼いたりしたものと比べ、肉の味を強く感じられる。

もう少し燻す時間を長くしてみたら、もっといいものが作れるのではないか、と思い、次は紅茶を使って15分間燻してみることに。

紅茶で15分間燻したもの

実物のウインナーは前のものよりもしっかりと燻されているのがわかるのだが、写真だとわかりにくくなってしまった。チーズは中身がこぼれ出してしまい、ちょっと失敗…チーズはホールのままで燻すのがオススメだ。

いざ実食。

紅茶は麦茶よりも香りが強いので、食材と合うか心配だったが、これがなかなかよい。むしろ麦茶よりもしっかり香りを楽しむことができて、大満足だった。さすがは結婚式の引き出物でもらった紅茶だ。香りが非常によい。

ウインナーは、麦茶10分と比べると、より水分が飛んで味が濃厚になっていた。

チーズについてはちょっと聞かないでいただきたい…やはり溶け出してしまうとあまり味も染み込まないようだ…次は絶対ホールでやろう。

ちなみに、燻製をやり終わった後のボウルはこんな感じだ。

底の部分が熱で変色して、わずかに変形しているが、燻製作りに使うだけなら、まだまだいけそうだ。やはり、妻が愛用している鍋でやらなくてよかった。

後片付けも、アルミホイルを敷いたおかげで簡単。網とボウルをザッと洗剤で洗って終了だ。
これだけ手軽においしく作れた上に、安上がりとなれば、万々歳だろう。

 

まとめ

まず、コスパがすごい。

調理器具が全部100円ショップで手に入るのは、非常に楽だった。買ったのはボウル2個と網だけなので、器具にかかった費用は300円だけだ。アルミホイルやクッキングペーパー、燻煙材にする茶葉は家にあるものでOK。
ちゃんとした燻製用チップでも、安いものなら500円くらいから見つかるはずだ。

それから、所要時間。

1~2時間かかるのを覚悟していたが、10分燻すだけでもスモーキーな味と香りが楽しめた。休日にのんびり作るなら、もっと時間をかけられそうだ。燻す時間を延ばせば、もっと本格的な燻製にできるかもしれない。筆者も次は、もっと長い時間燻してみたい。

最後に、アレンジできる幅の広さ。

スモークチップと食材を変えるだけで、さまざまな味を楽しめる。さらに食材の下ごしらえまで含めたら、そのバリエーションは無限だ。

専門の調理器具を買わなくても、自宅で手軽に燻製を楽しめることがわかった。
これはちょっと病みつきになりそうだ。酒のつまみにはもちろん、妻に提供すれば料理の幅が広がって喜ばれるだろう。
今日の帰り道、100円ショップで器具を調達して、自家製の燻製を作ってみてはどうだろうか。

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