失敗してる節約法

2016.10.12 08:05 更新

読了時間:14分36秒

節約するつもりが逆効果になっている、お金に関するやめた方がいい4つの習慣

節約

※出典:Lifehacker

クーポン券を集めてお金持ちになった人はいないと言っても、おそらく過言ではないでしょう。これは、お金を節約するのが時間の無駄だという意味ではありません。お金を節約する習慣には価値がありますし、塵も積もれば山となることもあります。しかし、意味がないこともあります。今回は、時間とエネルギーをかけるだけの価値がない、お金に関するやめた方がいい習慣を具体的に紹介します。

 

クーポンや割引券を集める

クーポンや割引券を集めていると、すごく時間をかけていると思われて、笑われたり、ばかにされたりすることがあります。私の場合、時間はそんなにかけていませんでした。

私は毎週クーポンを集めるのに15分をかけており、それで週に10〜15ドル節約していました。しかし、実際に時間をどれくらいかけるかではなく、時間の価値を大事にしているかどうかだと気付きました。

少し計算してみましょう。15分で15ドルの節約になるということは、基本的に1分に1ドル節約しているということです。1時間で60ドルなので、かなり良いです。単に数字を積み上げれば良く見えますが、当たり前のことが欠落しています。普段の仕事で、私は1時間に60ドルを稼いでいるわけではありません。必要のないものを大量に買わない限り60ドル分のクーポンを使うことができないので、大量のお金を節約することにはなりません。また、私は機械ではありませんから、自由になる時間にはかなりの価値があります。忙しくなればなるほど、週15分の時間にはそれだけ付加価値が加わります。

週に10〜15ドル節約する簡単な方法はあります。運良く条件のいい安いアパートに引越せれば、かなりのお金を節約できます。また、クーポンや割引券を集めるとごちゃごちゃとします。クーポンはありがたいですが、私は新聞のチラシが机の上や引き出しの中で山積みになっているような、雑然とした状態が嫌いです。スペースと紙の無駄です。

2003年のニューヨーク大学の研究によると、クーポンや割引券があると、通常よりも余計に物を買いやすいという別の問題もあります。全体的に見れば、クーポンや割引券は消費を促すようにつくられた広告というだけです。誤解しないでください。状況に合ったクーポンが手元にあれば、私はそれを使います。たとえば、最近地元のスーパーがいつも私が買っている商品の無料クーポンを送ってきたので、それを使いました。しかし、それには私は時間も労力もかけていません。

【その代わりに】食事の計画を立てる

クーポンに一喜一憂することより、食料品の買い物とレストランでの食事という、もっと大きな問題を抱えていました。私は毎月レストランでお金を使い過ぎる悪い癖がありました。使い過ぎている分を合わせると、クーポンで節約した60ドルよりも多かったです。スーパーでも買い過ぎていました。効率的な買い方を知らなかったので、結局食べない食料品を大量に買っていました。

私は楽しんでもいない、健康的でもない食料品にたくさんのお金を使っていたので、食事の計画を立てていないのは大きな問題でした。

今は、食事の計画を立てるのに便利で素晴らしいアプリがいくつかあります。試してみた中では「MealBoard」が気に入りました。このアプリの値段は4ドルですが、その機能や簡便さにはそれだけの価値があります。特定の日につくりたい食事のレシピをドラッグ&ドロップでアップロードしたり、加えたりすると、アプリがすぐにその食事に必要な買い物リストを自動的につくります。1週分のテンプレートを保存することもできます。無料で同じようなことができるアプリもありますが、私の経験から言うと、無料版には大体制限があり、管理が難しいです。

全体的に見れば、根本的な問題を見直し、クーポンや割引券を集めるのをやめたお陰で、もっとお金を節約することができました。

何でも最安値を探す

もちろん、これから何年も使うであろう9万円のノートパソコンを買うなら、私も安いところを探します。安値を探すのは大事なことですが、トイレットペーパーの最安値を探すことにかなりの時間をかけてきました。

最安値を見つけるのがかなりうまくなったので、元が取れることもあります。しかし、たった数千円が節約できる程度の小さな買い物でも、あらゆる物の最安値を探すのに、どれだけ無駄な時間とエネルギーをかけてきたかと考えるとゾッとします。「塵も積もれば山となる」の論理は、お金だけでなく、あなたの時間とエネルギーにも当てはまります。

【その代わりに】予算金額を設定する

どんな物でも最安値を探すのではなく、金額の制限を設けましょう。私は、3000〜4000円以上のものを買う場合は、できるだけ安いところを探すのに時間をかけます。しかし、トイレットペーパーなど生活必需品がすぐに必要な場合は、最安値を探すために時間をかけません。トイレットペーパーが20円安かったところで大したことではありません。それよりも後悔することは人生にはたくさんあります。

設定金額は人によって違うでしょうし、私の設定は絶対ではありません。最安値探しは時間をかける価値がある時とそうでない時がある、という一般的な考え方です。テクノロジーが役に立つこともあります。「Honey」「Invisible Hand」「CamelCamelCamel」のようなツールを使えば、価格の変動を追跡するのが簡単なので、かなりのお金を節約できるでしょう。

この時間を無駄遣いする習慣をやめるのは、お金が無くなると怖いという考え方を手放すことでもあります。昔、何かを買うのに数千円でも多く支払ったとわかった時は、はらわたが煮えくり返っていました。平たく言うと、ケチだったのです。お金が無くなるのが怖いという考え方に縛られていたので、それが一番大事なことでした。貧乏になる恐怖のせいで、自分の家計や財産に対して積極的というより、自己防衛的な反応をしていました。

面倒な節約アプリを使う

楽しく節約ができるアプリはたくさんあります。私もはまっていましたが、それはお金がたくさん節約できるからではなく、楽しかったからです。ちょこちょこと数円だけ節約する、ゲームをやっているようなものでした。

しばらくして、このようなアプリにかなり時間を無駄使いしていることに気付きました。レシートを写真に撮ってアップロードしたり、お店に入る度にチェックインしたり、質問に答えたりしなければならないような、余計な労力を要するものがほとんどで、面倒臭いものばかりでした。

それに、この手のアプリは節約アプリというより買い物アプリです。ちょこちょこと数千円節約ができますが、結局のところ、物を買わせようとしているのです。安い値段で買い物ができると、うれしくて良い気分になりますが、実際にはお金をさらに使わされているのです。たとえば、コロンビア大学経営大学院の研究ではこのようなことがわかりました。

その研究は、高級ブランドや高級ホテルのような豪華な商品やサービスが、リラックスした環境ではよく売れる理由を説明しています。売り手が顧客を最初にリラックスさせることができれば、顧客は喜んで高いお金を支払うので、売り手にとってはリラックスさせることがとても大事なのです。

つまり、アプリを使うと少額のお金を節約できますが、お金を使うことで”節約”という報酬が得られる消費者モードにさせられていたのです。大したことではないと思うかもしれませんが、このようなアプリやツールを何度も使っていると、何も考えずにお金を使うようになってしまいます。

【代わりにできること】慎重に買い物をする

使う価値のあるアプリを探そうとするのではなく、役に立たないアプリは削除し、面倒な労力を必要としないものだけを使い続けました。

すべてのアプリやショッピングサイトが面倒な作業を要求するわけではありません。何も確認する必要がないアプリは快適なので使っています。そのような使う価値があるアプリもありますが、それよりも何よりも意識しているのは、衝動買いではなく慎重に買い物をすることです。

買う前に、その買い物が本当に必要なのかを考えることで、買い物に対するキャッシュバックや特典をもらうより、より多く節約できることに気付いたのです。買い物の前に以下の質問を自問するだけで、衝動買いを防ぐことができます。

・これは計画的な買い物か?
・いつか”ゴミ”になるのでは?
・どこに置くのか?
・これも予算に入れていたか?
・なぜこれが欲しい/必要なのか?

お金を使うのは悪いことではありませんが、優先順位が大事です。実際に買いたいと思っている物のリストをつくる時は、『The Budgetnista』のTiffanyが言うように「好きな物、欲しい物の前に、必要な物、大好きな物を入れる」ようにしましょう。

もちろん、必要な物や大好きな物を買うことで特典が得られることもある、と言う人もいるでしょう。時間をかけるだけの価値があり、借金など経済的に悪い習慣になるものでなければ、それを買えばいいです。私の経験では、購入を促進するマーケティングにさらされる、アプリやツールを使う時間を決めたことで、より大局的な視点でお金を節約できるようになりました。

誤解しないで欲しいのは、私は普通にお金を使っています。しかし、ほとんどの場合、行動にはお金をあまり使わないようにしています。大好きなものを予算内で買い、最後に行動に対してお金を使います。

旅行のために疲れるほどリサーチする

旅行にはお金がかかるので、旅行関連では最安値を探したくなるのもわかります。しかし、それが裏目に出ることもあります。

たとえば、ホテルが嫌う、直前にホテルの部屋を見つけるアプリを使っていた時の経験です。アプリを使ってもいい結果が得られないことがありました。あるホテルのフロントに、「直接電話をしてくれたら、それなりの金額を提示しますから、次回は電話をしてください」と言われたことがあります。旅行関連で最安値のものを探そうと努力すると、簡単に時間がかかってしまいます。電話をかけて予約をした方が早いこともあるのです。

飛行機のチケットも、高額なので何としても節約したいものです。私の場合、機内持ち込みできるだけの荷物にして料金を抑えたり、50ドルを節約するためにトランジットで長時間待つようなフライトにしたりします。それで節約はできますが、不便にもなります。

そのような節約をした場合の時間の価値を計算する時は、精神的苦痛のコストも考慮しなければなりません。2つの都市に立ち寄り、次のフライトに急がなければならないのは、50ドルの節約の価値があるのでしょうか。時間と快適さのバランスも考えた方がいいです。特に、休暇で旅行をしている場合は、旅行の時間を楽しみたいはずです。

【代わりにできること】大きな節約を意識する

飛行機のチケット代の推移を逐一追いかけ、旅行中も予算に厳密になり、不便だけれど倹約になる旅行ハックをすべて実行するよりも、もっと簡単に節約できる方法を見つけました。それは、「安い時期に旅行をする」ということです。『Business Insider』のライターLibby Kaneは、これを「ひとつの決断で大量のお金が節約できるから、旅行の節約術で一番気に入っている」と言っていました。間違いありません。

旅行で必要以上に時間がかかったり、ストレスが増えたりするよりも、気候もほどほど良く、旅行者はそこまで多くなく、価格もリーズナブルな、穴場の時期に旅行をすればいいだけです。飛行機代やホテル代などが、何万円も自動的に節約できます。

当然ながら、常に安い時期に飛行機に乗れるとは限りません。ほとんどの人は、飛行機に乗る時期を選んでいるのではなく、飛行機に乗らなければならない時に乗っているだけです。その場合は、最安値を探すのが役に立ちます。飛行機の手荷物や旅先のレストランのような、旅行に関する細々とした支出をすべて節約しようとするよりも、私は金融系ライターRamit Sethiが「大きな節約(Big Wins)」と呼んでいる方法を意識するようにしています。旅行で一番お金がかかっているもの、つまり飛行機とホテルは、節約するだけの価値があります。飛行機とホテルは安い金額のものを探すのに時間をかけ、あとはただ旅を楽しみます。
倹約は経済的な目標を達成するための素晴らしい方法ですが、それはお金を節約することだけではありません。時間や精神的なエネルギーを含む、自分のリソースを効率よく使うことでもあります。人によって時間の価値は違いますし、節約術にもやるだけの価値があるものはあります。しかし、長い目で見るとさらにお金がかかったり、節約の価値以上に時間やストレスがかかるものもあります。私の場合、ここで紹介した節約に関する悪習慣は、価値以上に問題が多いことがわかったので、それに代わる別の方法を試してみてください。
Kristin Wong(原文/訳:的野裕子)
Illustration by: Angelica Alzona

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Lifehacker
 

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