もしものために。地震が起きたときの“シーン別”行動マニュアル

2017.11.5 16:07 更新

読了時間:7分11秒

知っているとは思うけど…。地震が起きたときの状況別対処法

Image: YouTube via Lifehacker US

母なる大地が持つ荒々しい力、それが地震です。けれども、自分自身と家族を守るためにできることはちゃんとあります。ここでは、「自宅」「職場」「車」「家の外」で地震を感じたときの対処法をご紹介します。

自宅にいる時

たいていの場合、地震の揺れが続くのは数秒間だけです。強い地震でもせいぜい30秒ほど。つまり、我が身を守るには迅速に行動しなければなりません。アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)が運営するウェブサイトReady.govによれば、地震が発生した時に真っ先に取るべき行動は「床近くでかがむ」ことだそうです。外に飛び出してはいけません。かがむことで転倒を避けられますし、倒れたり落ちたりしてくる物に当たる確率も低くなります(地震によるケガのおもな原因は転倒と落下物です)。

かがんだら、頭と首を片方の腕で覆いながら移動して、何かの下に潜り込みます。移動の際は、窓やぶら下がっている装飾品、背の高い家具、家電製品、鏡、ガラス製品がいっぱいつまったキャビネットなどに近づかないようにしてください。そして、外壁ではなく家の中にある壁に沿って進むようにしましょう。

何かの下に潜り込んだら、体を丸めて両腕で頭と首を守ります。車椅子などを使っている方は、ホイールをロックして前屈みになり、頭と首を腕で守って、揺れがおさまるまで待ちます。眠っている時に地震の揺れで目を覚ました場合は、ベッドに入ったまま枕で頭と首を覆います。物が落ちてくる暗闇の中を走り抜けるのは良くありません。

また、出入り口に立たないでください。南カリフォルニア地震センター(SCEC)で「コミュニケーション、エデュケーションおよびアウトリーチ」部門のディレクターを務めるMark Benthien氏によると、地震の際は出入り口に立つのがいいというのは、かつてカリフォルニアで起きた地震のあとに撮影された1枚の有名な写真をきっかけに広まった俗説なのだそうです。

戸口が強化されているのは、昔のアドベ(一種の日干しレンガ)式の家だけです。現代の家屋では、戸口が建物のほかの部分よりも強度で勝ることはありません。むしろそんなところにいたら、前後に激しく動くドアや落下してくる物などでケガを負う確率は高まるでしょう。

揺れがおさまったら、しばらく待ってから移動します。周囲と上方を見て、ケガの原因になる物が何もないか確認しましょう。カリフォルニア州保全局は、そのあと「ガスのにおいがしないか」「電気の配線が損傷していないか」「そのほかの火災を引き起こす危険が発生していないか」を確認すべきだと言っています。家のまわりを見て回り、屋根や土台がひび割れていたり、破損したりしていないかも調べましょう。また、必要がなければ家から出ないようにし、緊急時以外は電話をかけるのもつつしみましょう。道路や電話回線は救急隊のためにあけておくべきです。

職場にいる時

自宅にいる時に地震が発生した場合と、それほど大きな違いはありません。床近くでかがんで頭と首を守り、デスクの下などに潜り込みましょう。ただし、職場にいる場合は、地震後に検査官が建物の破損状況を調べるので、避難させられるかもしれません。

職場が高層のオフィスビルにある場合はどうでしょう? 1970年代よりも前に建てられたビルの場合、高層階のほうが安全かもしれないとBenthien氏は言っています。こうした古い建物は部分的に崩れるおそれがありますが、高層階は通常、無傷のままなのだそうです。とはいえ、移動している時間はほとんどありません。この場合もやはり、すぐに身を隠すのが得策でしょう。最新の高層ビルは地震の動きに合わせて揺れるようにつくられているので、動かずにじっとしていましょう。

人で込み合っている職場では、出入り口をふさがないことがいっそう重要になります。出入り口にいても身の安全は保障されませんし、危険な「交通渋滞」を引き起こさないとも限りません。地震のあとは、たとえその日の業務が中止になっても、クルマで退社するのはなるべく避けるべきです。繰り返しになりますが、道路は緊急車両のためにあけておきましょう。

車に乗っている時

地震発生時の車の運転には、大きな危険が伴います。地震波のせいで車体を制御できなくなるおそれがあるからです。揺れを感じたら、交通の流れから離れて車を完全に止め、サイドブレーキをかけます。

ただし、橋や高架道路、木、街灯柱、標識、電線などの下に駐車するのは避けましょう。駐車後は、揺れが完全におさまるまで車の中で待機します。もし駐車中に車の上に何か落ちてきていたら、そのままじっとしていましょう。特にそれが電線の場合は、専門の作業員が来て撤去してくれるまで待ってください。問題がなければ、普通どおり目的地まで運転を再開します。ただし、予期せぬ危険が路上に潜んでいないか注意し、地震で損傷しているおそれのある橋や古い道路、ランプには近づかないようにしましょう。

家の外

外で揺れを感じたら、ひらけた場所に移動します。建物や電線など、落下してくるおそれのあるものから離れましょう。安全な場所に移動したら、基本に立ち返って姿勢を低くし、頭と首を守ります。

山にいる時に地震が発生した場合は、現在地の上方と下方の地滑りに注意します。海のそばにいる時は、なるべく早く安全にその場を離れて高台に移動し、津波を避けます。ちなみに、地面が裂けてその割れ目にのみ込まれてしまうのでは…という心配は無用です。Benthien氏によれば、沈下の際に浅いひび割れが表土や山腹で発生することはありますが、かなりの深さに達することはめったにないそうです。

Image:YouTube via Lifehacker US

Source: The University of Utah, Ready.gov, Southern California Earthquake Center, AOL, California Department of Conservation

Patrick Allan – Lifehacker US[原文

(訳:阪本博希/ガリレオ)

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Lifehacker


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