前回のインタビューの中で、カンラオン火山は偶然に訪れた場所であったことを明かしてくれた、株式会社NAVA 代表取締役・ドローングラファの佐々木光洋氏。偶然に遭遇した被写体を、佐々木氏はどのように作品へとまとめ上げていったのだろうか?今回は、グランプリ映像を生む作品作りのプロセスについて詳しく伺う。
田口 「Drone Movie Contest 2017」グランプリ受賞作品『Kanlaon Volcano(Canlaon) Aerial shoot』の中で、佐々木さんが編集にこだわった部分はどこですか?
佐々木 そうですね。クライマックスはもちろんなのですが、一番こだわったのはファーストカットですね。
田口 火口を斜め上から捉えたカットですね。
佐々木 これ以前の作品はだいたい、一番いいカットをラストに持ってきていました。ところがWebの閲覧データを分析したところ、アクセスしてくれたユーザーが映像を最後まで見終えていないことがわかりました。これをなんとかしたくて、あえてファーストカットに一番の目玉になるカットを持ってきました。
田口 データ分析に基づいたカット配置だったのですね。普段から、データから得た情報を作品作りの参考にすることはよくあるのですか?
佐々木 私が代表を務める株式会社NAVAでは、「Webと映像」という切り口で事業をしているので、Webから得たデータの分析は日常的にやっていますね。作り手の感性も大切なのですが、ユーザーが見たくなる映像はどんなものなのか?をひもとくことも大切だと考えています。実は、見てもらえる映像を模索する中で、ファーストカットが森からスタートする別バージョンも作っています。これまで公開していませんでしたが、今日は特別にお見せします。
「【ドローンキーパーソンインタビューVol.13-3】データ分析から生まれたグランプリ作品のカットを佐々木光洋氏が語る」の続きを読む
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