コスパよくしっかり酔う! 人気ストロング系缶チューハイ4種を飲み比べ

2017.7.24 12:07 更新

読了時間:5分9秒

きっちり酔える! ストロング系缶入りチューハイ4種を定番レモン味で徹底比較!

1本ですぐ酔える、ストロング系缶入りチューハイが人気だ。今回は代表的なブランド4つ『氷結』『ビターズ』『-196℃ ストロングゼロ』『もぎたて』を、定番のレモン味で飲み比べてみた。アルコール度数はおなじ9%でも、味わいには大きな差があった!

すぐ酔えてコスパが良い! アルコール分9%前後のストロング系缶入りチューハイが魅力的な理由

蓋を開けたらすぐ飲めるRTD(Ready To Drink/レディ・トゥ・ドリンク)飲料の代表といえば缶入りチューハイ。とりわけ近年はアルコール度数7~9%のストロング系が人気だ。350ml缶の価格が税抜100円からせいぜい140円くらいで、これはアルコール度数の低いものと変わらない。つまりすぐ酔える分、コスパ良好。今回は主要3メーカーの人気ブランド4種を比較する。

ちなみにチューハイおよびサワーの定義について。本来は「サワー」がシロップなどで甘くなっているタイプを指し、「チューハイ」は焼酎を炭酸で割ったものなので糖分を含まず悪酔いしにくいのが特徴。※チューハイの「チュー」は焼酎の「酎」を意味する ただ最近のチューハイは甘味をあえて加えているものや、焼酎の代わりにウオッカ(ウォッカ/ウォツカ)や醸造用アルコールなどを使用しているものが増えており、すっかりあてにはならない状態。実際に今回紹介する4ブランド、全てがウオッカベースとなっていた。

比較に用いるのは、定番のレモン味。それでは実際に飲んで確かめていってみよう。

キリンビール『キリン 氷結ストロング シチリア産レモン』

(350ml・実勢価格 税込132円・2017年4月リニューアル発売)
アルコール分:9%/糖類ゼロ
原材料:レモン果汁・ウオッカ・酸味料・香料・甘味料(アセスルファムK)

2001年発売。濃縮果汁還元タイプが自然と主流だった中、果実から果汁を絞りストレート果汁のまま凍結させ、熱を加えずに解凍するという独自製法で果実の美味しさや香りを再現することに成功して大人気となったのがキリンの「氷結」シリーズだ。

1990年代まではチューハイもジュースも果汁を使うものは、輸送コストを削減するなどの理由で水分を飛ばして濃縮した果汁を後で水を加えて戻す、濃縮果汁還元タイプが主流だったのだ。それが2000年代に入ると、香りだちの良さや果汁本来の美味しさを味わえるストレート果汁タイプ、つまり絞った果汁をそのまま使用する商品が増えた。その先駆けが「氷結」だった。

元々は「氷結果汁」というネーミングで2001年に誕生したが、清涼飲料水との誤認を回避するため2002年からは「氷結」に変更。そんな「氷結」は元SMAP・中居正広出演のCMでも話題になったブランドリニューアルを2017年4月にシリーズ全体で遂げたばかり。

「氷結」全体に言えることだが、その最大の特徴はベースにウオッカを使用していること。そもそもはキリンビールの工場が焼酎製造の免許を持っていなかったことからの苦肉の策だったが、これが当たった。焼酎よりもクセのないウオッカの採用は、かえって果実味を際立たせることになり、大人気の一因となる。それまでは焼酎ベースが主流だった缶入りチューハイの、ベースは何でもありという歴史を作り上げた張本人が「氷結」なのだ。

また缶のルックスも独特で、NASA技術を使用したという凹凸のあるダイヤカット缶は、開けた時の音でも差をつける。飲んでいる時の指触りも楽しい。ただし複数本飲んでゴミ袋に入れておくと、ゴミ出し時にはかなり賑やかに……。

実際にプルトップを押し込んでみると、まず香りの飛びが良い。居酒屋なら向かいの席の人間の鼻に届くほどのすっ飛び具合。キレのある炭酸とともに喉に流し込むと、強烈な酸味とともに表情がシチリアン・マフィアのような渋い顔になるくらいの苦味が襲いかかる。

特有のカラカラ音のする缶を傾け飲んでいくと、不思議と舌の奥に甘みが残るのは気になる。原材料トップにレモン果汁が来るほど、果実を最大限にぶち込んだその姿勢には恐れいるが、果実以外の苦味もかすかに感じてしまう。氷を入れて飲めば気にならないのかもしれないが、缶のままいくと気になるかも。

酸っぱいという感覚の向こう側でアルコール感に火がついて、クラっと来るタイプ。これは酔っ払う。

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