【透明マントが現実に】東大教授が真剣に「光学迷彩」を研究中

2016.5.27 08:05 更新

読了時間:4分53秒

「透明人間マント」開発している東大教授、次は「分身の術」を作りたいと語る

東京大学先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授

※出典:GIZMODO

全力で応援したい。

まとうだけで姿を消すことができる、透明マント。子どもなら、特に男子なら一度は憧れたことがあるはずです。理由は、まぁ、いろいろです。

悲しいかな、多少の知恵をつけると「まぁそんなものできるわけないよね」なんて気づいてしまいます。しかし、大人になってもそれを諦めなかった人たちがいるんですよ。しかも、近所の空き地で「俺は未来から来た」とか言ってるオジサンではなく、あの最高学府、東京大学にですよ!

特殊な反射材を用いた技術、「光学迷彩」

まだ信じられないという方、とりあえず、無限大(mugendai)に投稿された以下の画像をご覧ください。本当に人が背景に溶け込んでいますから。

photo by Ken Straiton

photo by Ken Straiton

この「光学迷彩」という技術を研究・開発しているのが、東京大学先端科学技術研究センターの稲見昌彦教授。入射した光を散らすことなく、まっすぐに戻す「再帰性反射材」という素材を用いているのだそう。

実際の原理ですが、コートには背景と同じ映像が投射されており、ハーフミラー(マジックミラーはハーフミラーの一種)という特殊な鏡越しで見ることで、背景に溶け込んで見える、とのことです。

あの頃僕らが夢見た「透明マント」が着々と近づいているんですね。

「現実を減算する」光学迷彩、ルーツはあの名作マンガ

元々、「拡張現実」と呼ばれるARの世界を研究している稲見教授。今回のような技術を、「現実を減算するもの」だと語っています。

ARをはじめとする多くの情報技術は現実世界に情報を「足すこと」で成り立っています。しかし情報が多くなりすぎると、人はどこに注視すればよいかわからなくなる。これとは反対に、現実から邪魔だと感じるものを消していき、本来見たいものを見せるのが光学迷彩なんです。

「SFを信じることが、科学進歩の原動力になる」とも語る稲見教授。科学者というと勝手にお硬いイメージを持っていましたが、こんな柔軟な考えの方がいらっしゃるのは、何だかとっても嬉しいですよね。

それにしても「光学迷彩」と聞いて、ピンときた方もいるのではないでしょうか。そう、これはあの名作マンガ「攻殻機動隊」内に登場した、「熱光学迷彩」から来ている言葉。同作品は、稲見教授が学んでいた研究所で必読書となっていたんですって。

拡張されるのは現実じゃない、人間なんだ

VRやARの研究を盛んに行っている稲見教授ですが、本当にやりたいことは人間の能力を「拡張」することなんだそう。

これだけ聞くと、何だか背中にロケットでも生えてきそうですが、実際はそれほど大仰なことではないそうです。

わかりやすくいえば、スマホなんかもそうですよ。なくても生きていけるけど、スマホがあるから我々は道に迷わないし、電車も時刻通りに乗れる。

稲見教授は、これらの技術を「AR」ならぬ、「AH(Augmented Human=人間拡張)」と呼んでいるそう。

他にも「サンタクロースは信じていないが、ドラえもんは信じていた」、「次は「分身の術」を作りたい」という、いい意味で奇天烈な稲見教授のお話は、無限大(mugendai)のサイトからお楽しみください。
source: 無限大(mugendai)

(渡邊徹則)

元記事を読む

gizmodo

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