これから飛躍的に進歩しそうな最新テクノロジー5選

2017.8.2 08:07 更新

読了時間:7分9秒

近い将来に飛躍的進歩が期待される最新テクノロジー5選

Image:ideyweb/Shutterstock.com

未来の世界を、ほんの少しだけご紹介しましょう。

科学誌『Scientific American』は6月27日、新たに生まれつつあるテクノロジーの紹介記事を掲載しました。これは、「破壊的(ディスラプティブ)なソリューション」に関する毎年恒例のレポートで、「世界を変えようとしている」技術をリストアップしています。選ばれるのは、資金が集まっているか、飛躍的な進歩を遂げる前兆が見られる独特な技術のうち、まだ広く普及していないものに限られます。

では、リストに登場する最先端テクノロジーの一部と、それらを手がけている企業を紹介しましょう。

1.低侵襲性の生検技術

ガンの生体検査(バイオプシー)をする際は、ガン細胞を含んでいると疑われる部分から組織を採取しなければならず、痛みを伴ったり合併症を引き起こしたりする可能性があります。結果の分析には時間がかかりますし、腫瘍が手の届かないところにある場合もあります。血液などの体液を使って検査を行う「リキッドバイオプシー」なら、そういった問題を一気に解決してくれるかもしれません。血中に漏れ出したガン由来の遺伝子物質「血中循環腫瘍DNA(ctDNA)」を解析するこの方法なら、ガン細胞の存在を検出でき、治療法の選択に役立てることが可能なのです。また、従来のバイオプシーよりさらに踏み込んで遺伝子変異を特定し、もっと積極的な治療が必要かどうかの判断を助けてくれる可能性もあります。

今年に入ってライフサイエンス企業Illuminaから独立したGrailは、これまでジェフ・ベゾス氏やビル・ゲイツ氏を含む投資家から10億ドルの資金を調達しています。同社は、ガンの早期発見が可能な血液検査法を開発すべく邁進しています

2.精密農業

農業に精密科学を取り入れてはいけない道理はありません。AI(人工知能)やGPS分析ソフトのおかげで農家は作物の収穫量を以前よりも正確に管理できるようになりました。これにより、効率性の高い農業運営が可能となります。リソースが少ない、あるいは天候が栽培に適していない地域にとってはきわめて重大なことです。

屋内農業を手がけるAerofarms、Green Spirit Farms、Urban Produceなどのスタートアップ企業はみな、上述したようなツールや技術を使い、作物を綿密に分析して、生産量を最大化し、おいしさを最大限まで引き出す努力をしています。またBlue River Technologyなどの企業は、コンピューターの視覚情報処理技術を使って肥料の無駄づかいを減らしています。その削減割合は90%に上ることもあります。

3.持続可能なコミュニティのデザイン

持続可能な都市の構築は、単に環境に優しいだけではなく、優れたビジネスにもなりえます。企業や住民のエネルギーコストを削減できる可能性があるからです。グーグルから独立したSidewalk Labsは、実現可能性を探る大規模調査のための新たな実験地域を探しています。その中の1つの地域では未来の都市の姿を示すショーケースとして、自動運転車や太陽光発電などの持続可能なエネルギー源のインフラが整備される予定です。2016年時点では、コロラド州デンバーとミシガン州デトロイトが最有力候補に挙がっているという噂が飛び交いましたが、2017年5月、カナダのトロントでデジタルシティの実験を開始することが明らかになりました。

4.ディープラーニングを用いた画像認識技術

AIは、さまざまなアプリケーションにおける画像識別能力に関して、驚くほどの進歩を遂げてきました。フェイスブックではすでに、ユーザーが投稿した写真に写った人物や物体の多くが認識できるようになっています。また、被写体を説明して画像を検索することも可能です。グーグルの画像認識ソフトを基盤にした「PlaNet」と呼ばれる新プラットフォームでは、写っている標識やランドマーク、植物などをヒントに、場合によっては写真の撮影地を推測することもできます。また、スタンフォード大学の研究者たちは2017年、皮膚ガンを正確に見分けられるようAIをトレーニングしたことを発表。その精度は90%と、直接対決した皮膚科医を上回りました。

5.空気から水を作り出す技術

空気から水を作り出すことができれば、どんなに素晴らしいでしょうか。乾燥した地域であればなおさらです。『Scientific American』のレポートによると、カリフォルニア大学バークリー校とマサチューセッツ工科大学の研究チームは現在、そうした技術を実現化させるシステムを開発中です。科学者たちは「金属有機構造体(MOF)」と呼ばれる素材の多孔性を高めることで、大量の水を集めて容器に水を貯めるシステムを作ろうとしています。

一方、アリゾナ州に本社を置くスタートアップZero Mass Waterは、それとは違った手法で水を採取する技術を開発しています。『Scientific American』によれば、同社が目指しているのは、太陽エネルギーを使って水分を吸収する素材に空気を通過させるシステムです。ソーラーパネル1枚が付いているシステムの価格は約3,700ドルで、1日に2リットルから5リットルの水を採取できます。同社は、アメリカとヨルダン、ドバイ、メキシコにこの装置をすでに設置しています。最近では、シリア難民に水を提供するためにレバノンにパネルを送りました。

These 5 Technologies Are on the Verge of Massive Breakthroughs | Inc.

Image: ideyweb / Shutterstock.com
Source: Scientific American, Inc. 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, crunchbase, Forbes, Zero Mass Water
Reference: 日経デジタルヘルス, Wikipedia, Bloomberg

Kevin J. Ryan(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)

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