有能な社員が退職!? あなたなら引き留める?引き留めない?最高のリーダーが取るべき行動とは

2016.3.9 10:08 更新

読了時間:4分27秒

Lifehackerより転載

できる上司の新常識? 有能な社員は引き留めない方がいい理由

できる上司の新常識? 有能な社員は引き留めない方がいい理由

出典:Lifehacker

Inc.:本当にすばらしい上司の元で働いている場合、部下は会社を辞めたりしないと思っている人は多いです。個性を伸ばしてくれて、おもしろい大事な仕事を任せてくれる上司であれば、転職する必要なんてありませんよね?

常識的に考えれば、優れた上司とすばらしい社員がいる会社の離職率は低いと考えるのが当然です。しかし、ダートマス大学経営大学院教授で、最新刊『Superbosses』の著者でもあるSydney Finkelsteinは、それはまったくの間違いだと言います。

社員を引き留めるのは時間の無駄?

最近、Finkelsteinは「Quartz」のインタビューで、世界的にも優れた上司は社員が辞めても気に留めないという、これまでの常識を覆すような主張をしました。Oliver Staleyは、Finkelsteinの言葉を要約してこのように書いています。

最高のリーダーは、最高の能力を発揮する社員を探し求めます。社員が成長するのに手厚い投資をし、離職する社員を無理に引き留めません。すばらしい社員を育てることに成功したと知れ渡れば、もっと別の人たちを惹きつけられるからです。

たとえば、「サタデー・ナイト・ライブ」の製作者のLorne Michaelsは、彼が育てたタレントが映画界に進出するのを応援します。世界最大の医療提供者「ホスピタル・コーポレーション・オブ・アメリカ」の共同創業者Tom Fristは、元社員が起業するときに投資をしています。Finkelsteinは「最高の上司は、最高の社員が前に進もうとしているときに気に病んだりしません。当然だと思い、応援することもあれば、そのおかげで利益を得ることもあります」と言っています。

転職する人は歓迎する

多くの上司や経営者にとって、にわかには信じがたいかもしれませんが、転職者を歓迎し、その社員が次の職に移るときに喜んで見送ると得るものがある、と主張しているのはFinkelsteinだけではありません。起業家であり作家でもある Ben Casnochaも、優秀な社員を引き留めたりせず、その社員がさらに成長し、次に進めるように協力するのを勧めています。

若い社員が転職し、チャンスを求めるのを否定するよりも、会社はその現実に直面し、受け止めたほうが良いようです。社員が次に活かせるスキルを伸ばすのを助け、自分の会社を興すのを助けましょう。そして、新たに入社した社員に大いに期待しましょう。

一体何を期待しているのでしょうか? Casnochaは、優秀な社員と先進的な会社の理想的な関係について書いています。

会社は、2~3年間しっかりと勤め上げることを期待します。社員が離職するとき、会社はその会社の卒業生のようになってくれることを期待します。卒業生のネットワークの一員になることを望みます。新入社員の募集に一役買ってくれることを望みます。会社の製品やサービスの、生涯にわたる大使や伝道師になってほしいと思います。もちろん、すばらしい才能がある社員には、この会社で働いている間も、多くの転職のチャンスが巡ってくるでしょう。在職期間が数年にしか満たないかもしれないことはわかっています。

かなりおもしろい申し出ですが、才能ある社員ならば現実的に考えそうな計画や願望なので、彼らにとってもメリットはあるでしょう。

社員が会社を辞めると言い出したときのために、どのような態度を取るべきか、今のうちから考えておいたほうがよさそうです。
Superbosses Don’t Care About Retention|Inc.

Jessica Stillman(訳:的野裕子)
Photo by PIXTA.

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