効率アップ 高密度化仕事術とは

2016.9.30 08:05 更新

読了時間:8分6秒

疲れていませんか? だったら、仕事を高密度化して残業を減らす習慣を試してください

仕事を高密度化

※出典:Lifehacker

あなたは、1週間に何時間程度の残業をしていますか? 残業に至る原因はさまざまですが、大別すると、会社や事業の事情、個人のスキルやマインドなど、環境要因と自分要因の2つになります。では、どうすれば残業を減らすことができるのか。習慣化コンサルタントの古川武士(ふるかわ・たけし)さんによれば、「会社の方針など外的要因を変えることは難しいので、能動的に自分が変えられることにフォーカスするしかありません」とのこと。

また最近では、早朝出勤による朝型勤務に対して割増賃金を支給する商社、18時で全員退社しても160%の業績を上げているECサイト運営会社、部下が仕事と育児などの家庭生活を両立することを応援する上司「イクボス」を推奨する自治体など、企業や行政機関でも残業を減らす取り組みに注目が集まっています。

そこで、残業を減らすためには、どのような仕事術を習慣として身に着ければよいのか、古川さんに教えてもらいました。

 

古川武士

※出典:Lifehacker

古川武士(ふるかわ たけし)/習慣化コンサルタント
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約2万人のビジネスパーソンの育成と約500人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。主な著書に『30日間で人生が変える続ける習慣』などがあり、全14冊、計40万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。公式サイト

 

成果を高めながら、働く時間を短くする「高密度化仕事術」とは

古川氏:残業を減らすためには、1日の業務をしっかりと効率よく行いながら、できる限り定時内に終わらせることが重要です。そのためには、単位時間あたりの生産性を極限まで高める仕事の習慣=高密度化仕事術が欠かせません。

そこで、成果を高めながら濃密に圧縮して仕事をしていく仕組みづくりについて、3つのポイントからなるアプローチをご紹介します。

まず1つ目は、4週間で朝型・早起き習慣を身に付ける方法でご紹介した、仕事を「高密度化するための3原則」です。

・帰宅時間を徹底して守るために、今日中にやるべきこと、明日にしてもよいことなど、作業内容の優先順位を設定して、時間が足りずにできなかった場合は、翌日に「朝残業」して乗り切る。

・充分な睡眠で集中できるエネルギーを確保して、特に生産性が高まると言われる午前中に重要な作業を行う。

自分の理想を追求して過度に仕事を行う完璧主義を捨て、最善主義で考えることで、力の入れどころと抜きどころを明確にし、帰宅時間を優先する。

2つ目は、残業を減らすための3原則を続けるためのツールを活用することです。こちらも、ToDoリストだけではダメ。非効率を最適化する時間術で紹介しましたが、時系列で何時から何時まで何をしたか書き込む「時間簿」をつけて、非効率な時間の使い方を浮き彫りにし、感覚ではなく事実として適切な改善ポイントを探ることです。次のタスクのはじまりは前のタスクの終わりと考えて随時記録すると、すべての作業に意識が向き、それだけでも作業が効率化してきます。

そして、あわせて行いたいのが、3分間KPTです。時間簿を見て振り返りながら、KEEP(良かったこと)、PROBLEM(反省すること)、TRY(実践すること)をそれぞれ1〜3行ずつ簡単に書くことで、常に改善することが習慣になってきます。コンサルティングの際には、朝一番に3分で行う前日のKPTと今日の予定を5分で考えるプランニングをする習慣をおすすめしています。

5つの仕事術を実践して改善・習慣を図り、残業ゼロを目指そう

古川氏:時間簿をつけて1週間もすると、日々行っている時間活用の実態が見えてきます。そこで、次に挙げる5つの改善策を今日1日のプランに反映させて高密度化仕事術を実践をしてみましょう。

1. シングルモードで徹底的に集中する

マルチタスクではなく、1つのタスクに集中します。その際、同じモードの作業をまとめて行いましょう。別のモードの作業に切り替えるための起動時間を省くことができ、ギアチェンジの必要がないので、スムーズで効率的な作業を行うことができます。

2. 最重要の仕事を朝一番に片づける

その日に絶対にやらなければならない重要な仕事や、論理力・創造力・構成力といった思考エネルギーのいる仕事は、率先して朝一番に済ませましょう。今日やるべき一番重要な仕事は、朝から考えるのではなく、前日に机の上に出しておくようにすればすぐに取り組め、1日のスケジュールの主導権が握れてストレスの軽減にもつながります.

3. 先延ばしをなくす

苦手な仕事、面倒な仕事など先延ばしにしているタスクは、まとめて行うのではなく、いくつかの手順(作業するかたまり)に分けて取りかかりましょう。個々の作業を単純化・明確化することで不安な状態から解放され着手しやすくなります。

4. 突発をコントロールする

急な依頼など、突発的な出来事は大なり小なり発生します。これに対応するためには、規律と柔軟性が必要です。たとえば、急な依頼に対応するためには、集中するべき作業を常に小さい単位にモジュール化しておき、そのモジュールとモジュールの間に依頼された作業を行うようにします。

また、作業に集中したい場合は、突発的な依頼が入りにくい環境をつくりましょう。たとえば、メールを見ない、部署内での相談時間を決めておく、会議室で作業するなどがそれにあたります。

5. 余計なことを減らす

時間簿を確認して、ムダな作業や非効率な時間を見つけたら、思い切って削減しましょう。改善当初は、使途不明時間も多いと思いますが、これまでに挙げた高密度化仕事術を参考にしつつ、ムダだと思うのものは断る勇気を持って仕事に取り組んでみましょう。
古川氏:ここまで、高密度化仕事術の3原則とツール、実践法をご紹介しましたが、習慣として身に付けるためには、脳がいつも通りの行動だと認識するまで続けることが大切です。先にも述べましたが、最初からすべてを完璧に行うのは難しいので、まずは最善主義でトライしてください。


古川さんによる「高密度化仕事術」は、残業を減らすための習慣行動ですが、その目的は仕事とプライベートの両立と充実にあります。残業の軽減とあわせて、家庭生活や余暇の過ごし方についても考えてみたいですね。
(文/香川博人)
Photo by Shutterstock

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