「やる気スイッチ」を入れるためのシンプルな6つの方法

2017.8.11 12:07 更新

読了時間:9分29秒

脳の「やる気スイッチ」を入れるためのヒント

Photo: 印南敦史

“他人より仕事ができるようになりたい。

自分の夢を実現できる能力が欲しい。

しかし、他人と比較すると、記憶力もよくないし、理解するのにも時間がかかる。

そんな脳で仕事ができるようになるだろうか。(「はじめに」より)”

できる人の、脳の「引き出し」「スイッチ」「ブレーキ」』(米山公啓、ぱる出版)の著者は神経内科を専門とする医師ですが、こうした悩みについて解決することは、「可能だ」と断言しています。また、「自分の能力が活かせていないのは、もともとの脳の機能の差ではなく、それをうまく活かす方法を知らないだけ」だとも。

私たちの脳はそれぞれの脳の中の神経細胞のつながり、つまり神経回路は違う。それが個性であり、個人の能力とも言える。それを上手く活かすと可能である。(中略)できる人は、自分の脳の個性を活かして、上手に使っている。(「はじめに」より)

大切なのは、ちょっとしたことを、毎日少しずつやっていくこと。そのような考え方に基づく本書のなかから、第2章「脳のやる気スイッチの入れ方」に焦点を当ててみたいと思います。

できる人のスイッチ

著者によれば、オンとオフをすぐに切り替えられる「やる気スイッチ」は人間誰もが持っているもの。しかし、そもそもやる気というものは、なかなか継続するのが難しくもあります。やる気が出ている状態の脳内においては、ドーパミンが分泌されています。そこで、出ているうちに集中して終わらせることができればいいのですが、そううまくはいかないことが多いのも事実だということです。

また、できない人の多くは、自分を知らないとも著者は指摘しています。そこで、最初からスタートダッシュを決めて終わらせるのが得意なのか、コツコツと毎日ノルマを課して進めるのが得意なのかなど、自分の能力を把握することが大切。

“常にドーパミンを出して四六時中物事に取り組める人はそうそういない。できたとしても、数日でやる気は失われてしまう。(中略)やる気があるのかないのかではなくて、常にやる気があって取り組み続けること。その最大最高の方法は、その出来事が好きであることだ。仕事などで、やりたくなくても取り組まなければならないことがあるのならば、自分の中で好きにしてしまえば、それだけで良いのだ。(55ページより)”

好きだと思えば、その物事に取り組むことが苦痛でなくなり、集中力も増すもの。そして、よい結果が出るということです。(52ページより)

とにかく書いてみる

やりたいことを実現するには、行動が必要。ところが、頭でしたいと思っていても、なかなか行動に移せないことも少なくありません。たとえば、いわゆる「やる気が出ない」「意欲がない」状態に陥っている場合がそれにあたります。そんなときは、紙に書き出してみるべきだと著者。

“たったこれだけのことかもしれないが、これは実現への第二歩目になる。ちなみに第一歩というのは目標を設定することだ。
そうすることによって、やる気スイッチがオンになり、その目標に向かっての行動が始まる。すでに書き出すという行動をしているので、スタートを切った状態になり、前へ進もうと頭の中が働き始めるからだ。(56ページより)”

自分がなにをやりたいのか漠然にしかイメージできない場合も多いでしょうが、たとえば「お金持ちになりたい」など、抽象的なままでもかまわないそうです。もちろん、目標が高くてもOK。それを紙に書くことによって、手段や細かい目標設定が生まれてくるから。また、ノートに書いたのなら、ときどき見なおしたり、壁に貼っておくのも効果的。それを見るたびに、意欲が湧いてくるわけです。

“とにかく、やりたいことが見つかったら紙に書いてみれば、それは実現する可能性が生まれるということである。(59ページより)”

著者のこの言葉には、納得させられるものがあります。(56ページより)

人に宣言する

やりたいことや目標は、誰かに宣言するといいそうです。宣言したうえで目標を達成できなかったとしたら、口先だけの人などと思われてしまうかもしれません。だからこそ、マイナスのレッテルを貼られないためにも、口に出したことに対して努力をするのが人間だということ。

なお宣言する内容は、現実的であり、自分が努力すれば実現できると考えられるものにすべき。そうでなければマイナスのレッテルを貼られてしまうこともあり、場合によっては宣言した時点で無理だと思われてしまうから。(60ページより)

上手な目標設定

「上手な目標設定」は、本書のなかでもとても重要な話なのだそうです。これはやる気スイッチにも直結しているため、絶妙な塩梅の目標設定ができたのであれば、確実に自分の夢へと近づくことができるというのです。

たとえば勉強が最下位であるにもかかわらずハーバード大学に入るという目標設定をしたとしたら、普通に考えれば実現は困難。実現を念頭に置くのであれば、「段差が大きくも小さくもなく、実現可能度が5割程度、がんばれば達成できるであろう目標」がよいということ。ただし簡単にクリアできるような目標になってしまうと、やる気が出てこず効果は薄れてしまうものに。

“夢ともいえる目標設定と共に、そこへ向かっていくための小さな、今現在から頑張れば達成できるような目標を、クリアしたと同時にどんどん更新していく。すると、常にやる気を出すことができ、さらに夢へと着実に進めるようになるのだ。(64ページより)”

できる人は、この目標設定が絶妙。だからこそ常にやる気があって、やるべきことを理解して進んでいるのだそうです。

苦しみとは、嫌なことである場合が大半。基本的に人は嫌なことをやりたくないものですし、楽しくなければやらないでしょう。だからこそ重要なのは、目標に向かっていくことに楽しみを見出すこと、好きになること。人間の脳は自分の好きなことをやっているときに一番能力を発揮するからです。(62ページより)

記憶力アップ

記憶力をよくしたいという人に必要なのは、ずばり記憶術。記憶するための方法を学ぶことだと著者はいいます。まずは、繰り返し何度も覚えること。これは単純でありながら効果的な手段で、それこそ100回繰り返せばそう忘れることもなくなるはず。ちょっとしたことなら単語帳などに書き出し、常に携帯しておいて暇があれば見なおす。そのように工夫すれば、簡単に覚えることが可能だそうです。

同じように、運動すること(ウォーキングや散歩程度でもかまわないそうです)、瞑想などでリラックスすること、そして自分がやっていることを好きになることも重要だといいます。(67ページより)

集中力アップ

集中力とは、ひとつのことに固執していく力、そして余計なことを全部捨ててしまう力。固執することについていえば、周囲のことなど気にせず、とにかく好きなことに対して追求していくことが重要。好きなことだからこそ、集中力が極限まで引き出されるということ。

一方の余計なことを捨てていく力とは、大きな物事でいえば、家庭を一切顧みずに仕事に打ち込むこと。幸か不幸かは別にして、実際にそのようにして成功している人が存在しているのはたしかだというのです。(72ページより)

リセット術

リセット術とは、脳の休みかた。人間がやる気を持ち続けるのは短期的にも長期的にも難しく、集中力を保ち続けるのも至難の業。そのため、どこかで脳を休ませる必要があるということです。左脳は数字や計算、文字などをはじめとする論理的思考をつかさどっており、右脳は映像的な処理などを筆頭とする直感的思考をつかさどるもの。脳が疲れるというのは、このどちらかを使い続けているときに起こるため、たとえば左脳を使い続けたのであれば、雑誌を読む、映像を見るなどして右脳を使う作業をすることが大切だということ。

しかし、基本的にはなにもせずリラックスするのがよく、これは左脳も右脳も働かせていない状態。もし可能なら、数分だけでも目を閉じてボーッとしてみると、その後の作業への集中力が高まるのを感じることができるそうです。(75ページより)

多くの実績を持つベテランである著者の言葉は、とても力強いもの。脳をいま以上に活用したいと考えているのであれば、読んでみてはいかがでしょうか?

印南敦史
Photo: 印南敦史

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Lifehacker


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