思いが伝わる文章の書き方

2017.3.24 12:05 更新

読了時間:5分12秒

池上彰&竹内政明から学ぼう!文章が上手くなるための5つのコツ

文章が上手くなるための5つのコツ

もっと上手い文章、書きたくない?

SNSでちょっとした長文を書きたいとき、あるいは自分のブログの記事を書くとき、あるいはスピーチなどを任されたとき、「もっと文章が上手ければ」と思ったことはないでしょうか。スピーチは話し言葉なのでやや趣は変わりますが、根本の構成や表現は文章力がそのまま反映されます。書くにも話すにも、一定以上の長さになれば文章力が必要なのです。

ここでは池上彰さんと、読売新聞の1面コラム「編集手帳」のコラムニストであり、名文家として知られる竹内政明さんの対談本『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』から、文章が上手くなるためのコツを5つ紹介します。これらを実践すれば、きっと今より良い文章が書けるはずです。

「ベタな表現」と「手垢のついた表現」の違いを知る

どんなものであれ、文章の役割は「伝えること」です。どんなに美文でも、想定する読者に伝わらなければ意味がありません。逆に言えば平凡な「ベタな表現」でも、読者に伝わっていれば文章としての役割は果たしていることになります。そのため「ベタな表現」を恐れる必要はないのです。まずは自分の考えを小手先の工夫なしにそのまま書いてみる。それが大切です。

しかし竹内さんは「ベタな表現」と「手垢のついた表現」を区別し、後者をNG表現だといいます。「手垢のついた表現」とは例えば「フードファイターが山盛りのカレーを<ペロリと平らげた>」とか「東京の夜景は<100万ドルの夜景だ>」といった表現を指します。これらは「読者に様子を伝えよう」という意図によって書くものではなく、「こう書いておけばラクだ」という思考停止の産物だからです。

「ベタな表現」が吉本新喜劇のお約束のようなもので、わかっているけれど面白い芸だとすれば、「手垢のついた表現」は「とりあえず大声を出せばウケる」とばかりに声を張り上げる漫才師の芸だと言えます。両者の違いは読者(観客)との交感があるかどうか。自分の考えをそのまま文章にするときはこの点に注意して書いてみましょう。

「たとえ」は探して使っても良い

文章が上手くなるための5つのコツ

池上さんは読者にわかりやすいたとえを書くときは、パッと思いつくタイプなのだそうです。一方で竹内さんは毎回苦しみながらようやく思いつくというタイプなのだとか。

そんな竹内さんはたとえが思い浮かばないとき、いろいろなツールを使って探し出すのだといいます。具体的には歌舞伎や相撲、裁判の用語集のほか、気象予報士のパイオニア倉嶋厚さんの『雨のことば辞典』などです。

たとえとして使えるかどうかの判断基準は「一般的によく使う言葉ではないが、なんとなく馴染みがある言葉」。こうした言葉を使って、それまで読者が全く知らなかった情報を上手く説明できたとき、文章には強い説得力が生まれます。

また、たとえを探して使っていれば、より早く的確なたとえを頭の中から引っ張り出せるようになります。池上さんのようにパッと思いつく人は別として、そうではない人はぜひたとえを探す習慣を身につけて、少しずつたとえのストックを増やしていきましょう。

削って、削って、削りまくる

文章を書いているとどうしても正確に描写しようとして、形容詞や副詞をつけてしまいがちですが、これは悪文家の典型的な失敗です。情報量の絶対量が読者にとってのわかりやすさと直結するわけではありません。

むしろ的確に情報を取捨選択した無駄のない文章ほど、読者の理解度は高くなります。しかしいざ短文で文章を書くとなると、なかなかうまくいきません。良い短文を書くには、技術がいるからです。

この技術を身につけるためには、書いては削り、削っては書きを繰り返すのが一番の近道だと竹内さんは言います。そうしているうちに読者に伝えるために必要な「文章の筋肉」と、不要な「文章の贅肉」が見分けられるようになるのです。

この練習をするときのポイントは「せっかく書いたのにもったいない」「これは残しておきたい」というこだわりを、一旦全て捨てることです。そうした「この文章は必要なんだ」という自分の思い込みから脱しなければ、いつまでたっても文章は洗練されていかないからです。

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