通話機能搭載「Apple Watch Series 3」は前作を上回る使いやすさ

2017.10.20 12:07 更新

読了時間:10分46秒

Apple Watch Series 3 セルラーモデル レビュー:クールな夢の中のよう。初めて人に勧めたくなりました

Image: Gizmodo US

iPhoneしまいっぱなしでOK、の解放感。

9月22日、Apple Watch Series 3が発売されました。待望のセルラーモデルが登場し、iPhoneがなくても単体で電話ができ、ネットにつながります。これぞスマートウォッチのあるべき姿、ということで3週間ほど使ってみた米GizmodoのAlex Cranz記者は、史上初めての買うに値するスマートフォン、と高く評してますよ。以下、どうぞ!

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Apple Watch Series 3

・これは何?:モバイル通信ができるApple初のウェアラブル

・価格:400ドル(セルラーモデル/日本価格 4万5800円から)

・好きなところ:家にスマホを置いて犬の散歩に行ける

・好きじゃないところ:サードパーティのアプリが遅い、バッテリーが24時間しかもたない
Series 3はセルラーモデルだと400ドルもして、似たような競合より100ドルくらい高いスマートウォッチ。Apple以外が作ったアプリの動作は今になっても遅く、イライラで正気を失ないたくなることがあります。それにバッテリーは1日しか保ちません。Series 3自体もその背景の思想も、憎悪して当然だとすら思います。

…でも私はこのSeries 3を3週間ほど使ってみた結果かなり惚れ込んでしまい、他の人にまで購入を勧めている始末です。だってSeries 3は、スマートウォッチの中で初めて、お金を出す価値があると思えたんです。

正直なところ初代Apple Watchには、そんな価値を認められませんでした。私が買ったのは2016年4月でしたが、それからすぐ「後悔のかたまり」と呼ぶことに。Apple Watchの外見がそもそも好きじゃなかったってのもあります。持ってる人はまあ多いので、ユニセックスなアクセサリーとしてそれなりに使える、そこはいいんですが、それでもバッテリーの持ち時間の短さと、動作の遅さによるイライラは超えられずにいたんです。去年のwatchOS 3とApple Watch Series 2へのアップデートで少しは改善しましたが、ガジェット大好きな限られた人以外に勧めるのには抵抗がありました。まったくもって、ぱっとしませんでした。

でも、Series 3は違います。そこにはApple Watch史上初めて、セルラー通信機能が内蔵されているんです。セルラー付きスマートウォッチなんてSamsung(サムスン)がもうやってるから大したことない、と思われるかもしれませんが、やっぱりすごいんです。単に機能があるだけじゃなくて実装の仕方も良くできてて、Series 3はAppleが意図した通りちゃんと機能しています。「ウェアラブルかくあるべし」という姿を、自ら示しているんです。

ただしSeries 3でセルラー通信ができないという報告がたくさんあがっていますが、私自身はこの点まったく問題ありませんでした。2分ほどであまりに簡単にセルラーネットワークにつながったんで、逆に何か全然間違ってるんじゃないかと心配になったくらいです。

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左からSeries 3、2、1の順です(編集者注:キーノートでは「背面のフタがSeries 2から0.25mmだけ厚くなった」と発言)。

Series 3がつながったので、私はiPhoneを引き出しにしまい、Series 3とワイヤレスヘッドホンを接続して長い長い犬の散歩に出かけました。単純すぎるかもしれませんが、それはもう魔法のようでした。仕事で使ってるSlackのメッセージも、弟からのテキストメッセージもいつも通り飛んできます。Series 3の電話アプリから友だちに電話してみましたが、彼女の声はヘッドホンにシームレスにつながっていました。

そこで家に帰ってからはすぐに、iPhoneを機内モードにしてみました。iPhoneなし、外とのつながりはSeries 3だけの状況でどれくらい生活できるか試してみたんです。

その結果、丸一日完全にSeries 3だけで全然問題なく、まるでクールな夢の中にいるみたいでした。たしかに難を言えば、私のJabraのヘッドホンのマイクがイマイチで、電話のとき相手に切られたりはしました。この点、AppleのAirPodsのほうが電話には適してるんですが、私はあの着け心地があんまり好きじゃないんです。

そんなわけでSeries 3を入手した初日はずっと、iPhoneが手元にありませんでした。天気予報、APのニュースチェック、そして狂ったようにテキストメッセージを送るのも、全部Series 3からやってました。

Image: Gizmodo US
Apple Watchはユニセックスな時計としてだいぶ浸透してきました。サムスンのセルラー対応Gear Sシリーズは、手がごつい人じゃないと釣り合いません。

ただオフィスでは、ちょっと厳しいこともありました。常時オンの「Hey Siri」を見せびらかそうとしたんですが、Siriってスーパーマリオシリーズのオバケのキャラみたいに、誰も見てないときにだけちゃんと動くんです。あとは父からの電話を受けたとき、Series 3のアンテナがiPhoneより電波の悪い場所に弱いらしいことがわかりました。エレベーターホールでは電話に出ないほうがいいです。

それから、Series 3だけで音楽聞き放題をするとしたらApple Musicじゃないといけないのもフラストレーションでした。Google Musicメインの私にはつらいです。さらに、一緒に使うワイヤレスイヤホンがAppleのW1 Bluetoothチップ搭載じゃないと、iPhoneとSeries 3の間で電話を引き継ぐときにうまくいかないこともあります。BeatsやAirpodsではiPhoneとSeries 3の間の通話のハンドオフが問題なくできましたが、私のJabraのヘッドホンは賢くないので、この点での楽しさは半減でした。

Image: Gizmodo US
Series 3では、デジタルクラウンに赤いドットがあるのがセルラーモデル、何もないのがGPSモデルとなります。

先日私はサンフランシスコに飛行機で行ったんですが、iPhoneはあえてバッグに入れっぱなしにしました。それでもLyftを呼んだりセキュリティチェックを通過したり搭乗口を通ったり、そういったことを全部Series 3でこなせました。しかもそんな風にヘビーに使っていたのに、24時間充電が切れませんでした。もちろん、Fitbit Ionicみたいに1週間も充電不要なウェアラブルデバイスの前では、1日くらいのバッテリーライフはかすんでしまいますが、Apple Watchを日々アクティブに使っている私でも24時間持たせられるってわかったのは大きいです。

Appleがバッテリーライフの問題を解決して、Philips HueやDark Skyといったサードパーティアプリの読み込みを高速化してくれれば(現状ではどちらも、開くだけで1分くらいかかります)Apple Watchは本当に、楽しいだけのギミックじゃなくなるはずです。これからはスマートウォッチをいつも身に着けていれば、スマートフォンが必需品じゃなくなってくると思います。数年後の私は、手首にコンピューター、耳にはヘッドホン、口元にはマイクっていう商業化されたサイボーグみたいな世界をうろつくことになるのかもしれません。私はサイバーパンク大好きなので、そんな未来を必要以上に待望しちゃってるフシはあるんですけどね。

Image: Gizmodo US

まとめ

・セルラー通信機能が付いたこと以外、Series 3とSeries 2の違いはそんなにありません。

・サードパーティアプリは今も玉石混交だし、よさげなのがあっても読み込みに限りなく時間がかかります。

・Series 3にはiPhone・Apple Watch間の通話の引き継ぎをスムースにするためのW2 Bluetoothチップが搭載されてますが、ヘッドホンのほうにW1チップが入ってないと、その良さが台無しです。

・今まで空港のセキュリティや搭乗口の通過にiPhoneを使ってきましたが、今回iPhoneなしでSeries 3だけで、空港を乗り切れました。搭乗券のプリントアウトもしてません!

Image: Gizmodo US

Alex Cranz – Gizmodo US[原文
(福田ミホ)

元記事を読む

gizmodo


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