メールよりも34倍も効果的な、唯一のセールスアプローチ
Inc.:「計測できるものは管理できる」という言葉があります。これは、Eメールによるマーケティングが成功を収めている理由の1つです。たとえ成功率が2%しかなくても、多く送ればそれだけ成果が上がるのですから。
とはいえ、キャンペーンの規模が大きくなるにつれて、当然コストがかさんできます。つまりデジタルマーケティングは、非常に高額になる可能性があり、必ずしも効果的とはいえないのです。
Harvard Business Reviewによると、先日コーネル大学の研究グループが、大規模デジタルアプローチの過ちを指摘する論文を「Journal of Experimental Psychology」に発表しました。
45人のセールス志望者を対象に行われたこの実験により、まったく見知らぬ人に同じセリフでコミュニケーションを取る場合でも、メールで聞くのと、面と向かって聞くのとで、成功率が大きく違うことがわかったそうです。
面と向かって聞くほうが34倍効果的
研究を行ったコーネル大学助教のVanessa K. Bondsさんは、Harvard Business Reviewでこう述べています。
“6人に直接聞くのと200人にメールを送るのは同じ効果です。それなのに、メールのほうが効果的だと考える人が多い。”
Bondsさんは、200ものメールを送るよりも6人に直接話すほうがずっと簡単だと主張しています。そして、推定ではなく指標に基づいて判断をすべきとも述べています。
なぜメールのほうが効果的だと思ってしまうのか
寄付のお願いにせよ、商品の販売にせよ、メールで書くほうが、自分のやっていることの正当性を感情的に支えられるからではないか、とBondsさんは説明しています。しかし、受ける側を考えてみると、忙しい一日に気づいてもらえるかどうかという問題のほかに、知らない人から送られてくるリンク付きのメールは怪しいと思われても不思議ではありません。
つまり、対面になることで信頼が比較的すぐに得られるのに対し、メールの場合はハードルが上がってしまうのです。それに、直接話すことで影響力を築けます。響影力には、その先にも続くネットワーク効果があります。
直接アプローチするよりも、文字によるコミュニケーションのほうが便利で快適なこともあります。でも、そのような手段を過大評価してはいけません。気づかぬうちに、影響力を持つ手段の選択を誤ってしまうでしょう。
1 Sales Approach 34 Times More Effective Than Email, According to New Cornell Study | Inc.
Image: Shutterstock.com
Source: Inc., Harvard Business Review
Lisa Calhoun(訳:堀込泰三)
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