アラフォー世代必見。部下・チームのモチベーションアップをさせる秘訣とは?

2016.5.9 17:05 更新

読了時間:13分33秒

モチベーションアップ
部下・チームのモチベーション・やる気をアップさせて効率的に仕事をしていくことが組織・個人両方にとって有益なことは間違いない。企業向け研修サービスの市場規模は矢野経済研究所によると4,860億円(2014年)で、大手企業だけではなく、中堅・中小企業でも研修サービスの活用が増加している。特にモチベーション関連研修は堅調だと言う。

多くのアラフォー世代も部下やチームのモチベーションアップ方法に日々苦労しているのではないだろうか? かく言うブーストマガジン編集部の筆者も部下を抱える一人のアラフォー男性であるが、部下やチームのモチベーションアップに関しては日頃から悩みが尽きない。

株式会社インソース

<取材協力:株式会社インソース(http://www.insource.co.jp) 写真左:公開講座本部 若山氏、写真右:WEB広報部 石川氏>

今回は社会人向けの研修・講座を数多く行っている株式会社インソース WEB広報部の石川氏と公開講座本部の若山氏のお二方にお話を伺った。株式会社インソースは、意欲向上・モチベーションアップ研修も活発に行う企業である。毎年5月病に陥ってしまう筆者であるが、自分自身のモチベーションアップ方法も含めて聞いてきた。さて、どんなお話が聞けたのだろうか? 早速見てみよう。

1.モチベーションが下がるのは、梅雨の時期

モチベーションダウンモチベーションが下がってしまう時期としては、5月のGW明けや梅雨の時期にそのような傾向が多く見られると言う。「当社では週に2回、メルマガを出しているのですが、メールの件名に『5月病対策に』というコピーを入れると通常より1.5倍ほど開封率が高く、お客様からの反応も高いという傾向があります」と石川氏は語る。多くの企業が5月のこの時期に社員のモチベーション対策に関心が高いということが分かる。

特にモチベーションが下がりやすいのは新入社員。4月に「よし、やるぞ!」と入社したものの、5月に入ってだんだん自分が思い描いていたものと現実が違うと感じることで、モチベーションが下がってしまうようだ。さらに、新入社員を教える20代後半の社員も要注意だと若山氏が話してくれた。「新入社員に一生懸命教えているのに、相手が無関心、反応を示してくれないということで、自分の思った通りに行かず、やる気が下がってしまうということもあります」と言うのだ。

アラフォー世代の我々はチームを引っ張る身として、「新入社員」だけでなく「新入社員を指導する社員」の声にも耳を傾けないといけないのだなと改めて気づいた。

ところで、アラフォー世代は、どんな理由でモチベーションが下がるのかも聞いてみた。

石川氏いわく「40代・50代の方が昇格試験等で上に上がれず、いわゆる管理職やマネージャーの道から反れて行くとやる気が下がってしまう傾向がございます」とのこと。アラフォー世代は、会社の中で岐路に立たされる年代でもあるようだ。

2.上司の背中を見せるのではなく、上司から働きかける

上司から働きかけるアラファー世代は、部下を管理する立場にいる方が多いと思われるが、部下のモチベーションを上げる方法はあるのか聞いてみた。「まずは、明確にビジョンや未来を語り、それに基づいて部下それぞれの役割や組織からの期待をしっかり語ってあげるということが今の上司には求められます」と若山氏は語る。忙しいリーダーやマネージャーの方だと、なかなかフィードバックの時間が取れないという人も多いが、少しの時間でもいいので、しっかりとビジョンを語ってあげることが大事になってくるようだ。

しかし、部下の立場から言うと、アラフォー世代のリーダーやマネージャーに相談しづらいという印象があるのではないか? そんな筆者の疑問に、「上司がそのことをしっかり把握して、話をする時間を確保することが大切。この日、この時間、この人に何分間話すということをスケジュール帳に書き込むといった管理をしていく必要があります。上司の側から歩み寄るのです」と若山氏は付け加えてくれた。

コミュニケーションでは、部下とコミュニケーションをとる際に何か注意点はあるのだろうか?  石川氏に聞いてみた。「日常的なコミュニケーションであれば、部下のデスクに行って、話すだけでも大丈夫です。もちろん、MTGルームを使っての個人面談も必要ですが、決してそれだけでは十分ではないんです」とのこと。また、「1対1で話すときは、出来れば個室のMTGルームなどで話すことをおすすめしています」と言うのだ。なぜかというと、周りの目が気になるので、個室でないと本音レベルで話せないとのこと。確かに、多くの人がいる中では、周りの人目が気になって、腹を割って話すことは難しい。

さらに、「部下に何かを頼むときには、単純に作業を依頼するのではなく、何でこれをやるのかという理由をしっかり伝えるとことが大切になります」と石川氏は付け加えた。例えば、20代後半の社員に、「新入社員のOJTをやってね」とただ単に頼むのではなく、「私としては、将来あなたにはリーダーになってもらいたいと思っているので、この1年頑張って新入社員に教えてあげてね!」と理由を付け加えることが重要だと言うのだ。過去の筆者を振り返ると、上司に何の説明もなく業務を振られ、戸惑った経験が何度もある。業務の背景やなぜこの案件を自分に振ってきているのかを明確に示してもらえないと、確かに腹落ちして業務を遂行することができない。

3.仕事のプロセスを褒め、具体的に叱る

部下の褒め方部下の褒め方については、例えば営業の仕事を例に取ると、「100万円売り上げたんだね」という結果を褒めるのではなく、それまでの過程を褒めてあげることが重要。「10件もテレアポしたんだ、すごいじゃん」というように、結果ではなくプロセスを褒めるのだ。確かに、新人であればあるほど、目に見える成果は出しづらい。「重要なことは、何か良い行動・アクションが見られた段階で、その場ですぐに褒めることです」と石川氏は言う。

ただし、女性の場合は注意が必要だ。人前で褒められると、周りの目が気になるという方もいるからだ。「あの子だけ褒められている…」と周りから思われるのを気にするタイプもいるので、その人のタイプを見極めることも大切になってくるとのことだ。
叱るまた、叱るパターンは2つに分けられる。1つは納品ミスなどの急を要する場面である。この場合は、すぐにその場で指導してあげることが大切になってくる。指導を後回しにするとミスをした本人もモヤモヤがずっと溜まってしまう。もう1つはチームとのコミュニケーション不足などの日頃の態度に関する指導だと言う。この場合は、1対1になれる場所とゆっくり話せる時間を作って指導することが重要になってくる。

叱り方は、感情的にならずに、具体的にこうした方がいいよと言うこと。石川氏の言葉を借りると「アイメッセージを使って指導することが大切です」と言う。アイメッセージとは主語を「あなたは〜」から「私は〜」に変えて、自分の気持ちや考えを伝えるという手法である。

例えば、アイメッセージを使わない場合、「あなたは何でチームに交わらないの? もっと仲良くすればいいじゃん」という一方的な言い方になる。しかし、アイメッセージを使うと「私は、あなたはすごく仕事ができると思うんだけど、もうちょっと周りのみんなと協調性を持ってやると、よりいいと思うよ」と伝える。アイメッセージを使うことにより、相手の人格を否定するのではなく、アドバイスとして受け止めてもらえると言うのだ。

4.チームのモチベーションは、「業務分担」にある

チームのモチベーション部下だけではなく、チーム全体のモチベーションをキープする方法についても聞いてみた。

「チームメンバー個々人の強みは違うので、それぞれの強みを活かした業務分担を行うことが大切です」と若山氏。よくある事例としては、どうしてもリーダーばかりが責任の重い仕事を抱え込んでしまいがちなのだが、それぞれのメンバーに、適切に業務を分担していく必要があると言うのだ。もちろん、その業務の目的や意義を共有した上で業務分担していくのである。こうすることで個人の成長だけでなく、チーム全体の底上げになってくるのだと言う。

またチームのモチベーションが下がる一因として、同じ業務を長い期間やっているということが挙げられる。「毎年同じことをやっているな」と感じてしまうと、どうしてもモチベーションは下がってしまうもの。「当社の場合ですが、定期的に部署異動をして、同じ業務だけにならないように気をつけているんです」と石川氏が語る。確かに、新しい環境に移ると新しい業務を覚えなければならないので、モチベーションも上がりやすいと言える。もし部署異動が難しい場合、部内の中でも役割を変えるなど、何かしらの変化を与えてあげることがモチベーションを保つ上で重要になってくるのだとか。

クレドの唱和

企業によってはモチベーションアップのために社是やクレドの唱和を毎朝やっているところもあるが、結局は上からの命令で行っている、所謂「やらされている」環境だと意味はないとのこと。「これはクレドを作る時に全員を巻き込んでやる必要があります」と若山氏は言う。全員でブレストをしながら作ったクレドだと全員が腹落ちするので、毎朝のクレド唱和も意味がでてくるのだとか。単純に上から一方的に「毎朝これをやれ」というのでは、社員の納得感は低い。また、クレドを管理職が部下に対して「これはこういう意味だよ」と、しっかり咀嚼させることが大切になってくるのである。

5.自分自身のモチベーションが下がったなと感じたら…

モチベーションが下がる部下やチームのモチベーションをアップさせるのがアラフォー世代の重要な役割だが、時には自身のモチベーションが下がってしまうこともある。筆者も仕事が立て込んでいる時や上手く業務が回っていない時に、モチベーションが上がらないという時期がしばしばあった。何か自分自身でできる対策はあるのだろうか?

若山氏は「アラフォー世代だけではないのですが、仕事以外の趣味や気分転換を見つけることが一つの解決策ですね」と話してくれた。あとは、自分の思考の傾向を知っておくというのも大切になってくるとのこと。例えば、自分は「何々すべき」「何々しなければ」と考えがちの人がいる。このように考えてしまう方は「あっ、また『何々すべき』と考えているな」と自分で気づけるということが、自身を追い込まないようにする一つの方法になるというのだ。

ノートに書く「もし悩みを抱えてしまった時、モチベーションが下がった時は、なるべく人に相談することも解決法の一つになります」と石川氏は言う。可能であれば社外の人や家族など心置きなく話せる人だと良いのだとか。もし人に話すのが嫌という人は、ノートに悩みを書いて、客観的に見てみるというのも一つの手段だ。客観的にみることで「なんだ大したことないじゃん」と多くの場合は思えるからだと言う。

まとめ

如何だっただろうか。ブーストマガジン読者は、部下やチームのことだけではなく、自身のモチベーションアップ・やる気アップにも努めないといけない世代だろう。なぜならアラフォー世代は、20代の時に比べ体力が落ちてくる。体力がなくなってくると、それと同時に気力も下がってくるのだ。

筆者の場合、体力が落ちないように週に1回のランニングをしている。ランニングをすると、体力の維持だけではなく、頭の切り替えにもなって良いストレス解消になるのだ。ブーストマガジン読者も、ストレス解消のために仕事以外の趣味を見つけて、新しい刺激を取り入れてみたらどうだろう。きっと仕事にも良い影響を与えてくれるはずだ。


取材協力:株式会社インソース

社会人に向けた研修や講座、eラーニングなどの教育支援を主に行っている。約1,600種類の豊富なカリキュラムを揃えており、研修の実施回数は年間1万2,000回(2014年10月~2015年9月実績)を超える。さらに研修の受講対象者選定から研修実施、実施後まで一連の業務を一括管理できる「研修管理システム Leaf」の提供も行っている。

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