上司から丸投げされた仕事をチャンスに変える方法

2017.5.30 08:07 更新

読了時間:8分29秒

上司に仕事を「丸投げ」された時の対処法

上司に仕事を「丸投げ」された時の対処法

サイボウズ株式会社のオウンドメディア「サイボウズ式」のこちらの記事より転載いたします。

サイボウズ式編集部より:チームワークや働き方に関するコラム「ブロガーズ・コラム」。先月、読者のみなさまからご相談を募集したところ、たくさんのお悩みが届きました。届いたご質問やご相談をいくつか取り上げて、ブロガーのみなさまに回答していただきます。今回は、日野瑛太郎さんからの回答です。

ご相談内容

上司から仕事を丸投げされます。不明な点を質問しても、「俺には分からない」「忙しいから答えられない」と言われてしまい、結局自力で調べて解決しています…。

この上司と仕事をするようになってからずっとこんな感じなので、仕事に対するモチベーションが日に日にそがれています。

仕事を丸投げされたときの対処法や、モチベーションの保ち方を教えてください。(てらこ/中堅社員)

なぜ人は仕事を丸投げしてしまうのか?

今回の回答者:日野瑛太郎。ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。ブログはたちまち月間約50万PVの有名ブログになり、現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。

仕事を丸投げされると、本当に困りますよね。僕も会社員時代に、仕事を丸投げされて途方に暮れたことが何度かあります。僕もあなたと同じようになんとか自力で解決してみたものの、しなくてよい苦労をさせられた気持ちになって、だいぶ気力がそがれたことを覚えています。

実際のところ、仕事を丸投げする上司は非常に多いように思います。僕自身も過去にそういった上司にあたったことがありますし、知人などから似たような悩みを聞くこともあります。もしかしたら、仕事を丸投げせずにきちんと着手しやすい形で渡してくれる上司のほうが少数派なのかもしれません。きっと今も日本のどこかで仕事の丸投げが大量に行われていることでしょう。そもそも、なぜ人は仕事を丸投げしてしまうのでしょうか。

それは仕事の振り方として、丸投げが圧倒的に楽だからです。上司の立場になって考えてみるとわかりますが、仕事を誰かに振るのはとても難しい作業です。まずはその仕事の背景を相手と十分に共有しなければなりませんし、質問に答えられるように自分自身もその仕事に精通していなければなりません。振られた仕事を自分でこなすのに比べると、だいぶ手間がかかりますしコミュニケーション能力も必要です。

一方で、丸投げは仕事の振り方としては圧倒的に楽です。仕事を振る際に本来必要となる背景説明は省略できますし、質問にも真剣に向き合わなくて済みます。別の見方をすると、仕事の丸投げは仕事を理解していなくてもできる仕事の振り方だと言えます。結局のところ、丸投げをする上司の大半は、自分自身がその仕事のことをよくわかっていないのです。これだけ日本中のさまざまな職場で仕事の丸投げが横行しているということは、それだけ無能力上司が多いというちょっと残念な事実を示しています。

期待に応えている限り、丸投げがなくなることはない

重要なのは、丸投げされた仕事をなんとか自力でやり遂げてしまっているうちは、絶対に丸投げがなくなることはないということです。丸投げは上司にとっては非常に楽な仕事の振り方ですから、それで部下が問題なく仕事をこなすのであれば、今後も丸投げを続けることが合理的ということになります。上司に丸投げをやめてもらいたいのであれば、「丸投げではうまくいかない」という事実を相手に突きつけなければなりません。

具体的には、丸投げされた仕事を「自力で調べて解決しない」ことが必要です。仕事を丸投げされ、不明点の質問にも上司が真摯に向き合ってくれないのであれば、もうその仕事をするのはやめてしまいましょう。当然、その仕事は期限を過ぎてもできあがらないので問題になるでしょうが、悪いのはきちんと取り組める形で仕事を渡そうとしてこなかった上司です。叱責されたら「こっちが相談してもろくに答えてくれなかったじゃないですか!」と開き直りましょう。だいぶ荒療治ですが、ここまでやらないと丸投げをする上司が丸投げをやめることはありえません。

「自分の好きなように仕事ができる」と開き直るのもひとつの手

とはいえ、上司がずっとそんな調子では仕事のモチベーションは下がってしまいますよね。そんな時は、視点を変えてみるのはいかがでしょうか。上司からざっくり振られた仕事を「丸投げされた」と考えるのではなく、「自分の好きなように仕事ができる」と考えてみるのです。

仕事を丸投げされるのはたしかに困りますが、箸の上げ下ろしまで指示されるようなマイクロマネジメントはもっと困るものです。裁量のない仕事ほど楽しくないものはありません。上司が口やかましく仕事のやり方に介入してこないという意味では、丸投げにもいいところはあります。仕事を丸投げするということは、どうせ上司もその仕事についてほとんど何もわかっていないはずですから、どんなやり方をしても文句を言われることはありません。

好きなように仕事をするチャンスをもらったと考えて、やりたいようにやってみてはいかがでしょうか。仮にそれで失敗しても、最終的な責任を取るのはあなたではなく上司です。その際には、仕事の進め方について事前に上司に報告しておくことをオススメします。「○○という手順で進めますけど、いいですね?」と事前に進め方を上司に確認しておくことで、いざ問題が起きて責任問題が発生した時に、「なんで勝手に進めた」と責められることがなくなります。ちなみに、確認は口頭だけでは証拠が残らず「言った・言わない」に発展するおそれがあるので、必ずメールやチャットなど明確な証拠が残る形で残すようにするとなおよいでしょう。

将来、自分が上司になった時に丸投げをしないことが大事

少し話の目線が変わりますが、「仕事を丸投げされて困った」という経験を、ぜひ忘れずにいていただきたいと思います。今はまだ仕事を振られる側にいるかもしれませんが、社会人キャリアが長くなると、徐々に仕事は「振られる」ものから「振る」ものに変わっていきます。

その時に自分がかつて「仕事を丸投げされて困った」経験を覚えていれば、部下に仕事を丸投げしたくなった時にも踏みとどまれるはずです。前述のように、丸投げは仕事の振り方としては非常に楽なので、それでなんとか部下が仕事をこなすのであれば「あ、この仕事の振り方でいいんだ」と思ってしまうのはある意味では当然です。上司の多くは忙しいので、それ以上深く考えずに以後も丸投げを続けてしまいます。

でも実際には、仕事を丸投げされた側は迷惑しているし、モチベーションも下がっていることをあなたは自分の経験からよく知っているはずです。このような「相手の立場になって考えられるかどうか」が、よい上司の条件のひとつなのではないでしょうか。思いがけず上司になった後の話をしてしまいましたが、負の連鎖ほど悲しいものはありません。とりあえず今は上司の丸投げをうまくいなして、ぼんやりと未来の部下のことを考えていただけたらと思います。

上司からの「仕事の丸投げ」がなくならないのは、あなたが期待に応えているから| サイボウズ式

日野瑛太郎
Photo by shutterstock.

元記事を読む

Lifehacker


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